「そこにはいつも仰ぎみる空がある」
ファンサイト管理人・カストルの「カルミン」レビュー
覚さんが歌うアルバムが遂に出た。
2004年の11月以来だから、、、
の、ぅん年ぶり、待望のセカンドアルバム「カルミン」!
1st当時、ライブのたびに披露されていた新曲を中心に
その後のプロジェクトテーマ曲のセルフカバーも収録して
12曲入りのセカンド。それも豪華2枚組。
自作詩朗読のCDとのカップリングとは嬉しい企画だ。
1st「青空1号」は、
詩作朗読家と認識していた覚さんが
どんな音楽を届けてくれるのかが
未知で、非常に期待されたアルバム。
その回答は、ピアノとの和声が骨太な
美メロの詰まった上品な味わいのある名盤だった。
2nd「カルミン」はその先きにある。
ちょっと大人なサウンドになり、
ポップスでありながら、ポップスに安住しない
オルタナティブの名盤になった。
ジャケットが伝える”一筋縄でない”世界が
その予感に通じている。
「カルミン」はちゃんと正しく”音楽”しながら、遊び心もいっぱい。
プロデューサーのムーンライダーズ岡田徹さん、盟友の丸尾めぐみさん、
旧友の鶴来正基さんの強靭な作曲&編曲陣が脇を固め、
言葉にメロディに守備範囲がひろく、
めくるめく「覚 和歌子の音楽ワールド」が展開している。
もうパリ〜、死にそうな〜、惚れ薬あたりは
覚さんならではの詞作観が楽しめて、
車輪とすずめではなんと覚さん作曲も!
ライブで親しまれた曲たちは特に
臨場感のあるサウンドに仕上がって、
しなやかで力強い歌声も素晴らしい。
のべ2千人以上が作詞に関わり、平原綾香さんが歌い、
絵本にもなり、大気圏外でも流れた「星つむぎの歌」は
不思議な力のあるナンバー。
覚さんの真骨頂ともいえる歌唱が聴けるのは
やっぱり空を仰ぎみるような、たっぷりとしたメロディ。
アイリッシュトラッドとの相性が抜群の「銀河」
夏の陽炎のようなメロディ「眠れる更紗」
とどめに名曲「夕焼けは星空のはじまり」。
覚さんの澄んだ歌声に
身も心もゆるんで、癒されます。
そうそう、覚さんが監督をされた写真映画
「ヤーチャイカ」のメインビジュアルの青と赤が、
「青空1号」と「カルミン」をつないでいたなんて
きっと覚さんすら思いもよらない符号だったのではないか。
※「カルミン」は赤色系染料の名称、別名カーマイン。
「青空一号」の青色と「ヤーチャイカ」のポスターにおいて対をなす意。
「ヤーチャイカ」ビジュアル会議での覚さんの霊感が空恐ろしい 笑
カストル