


2008年5月31日公開
映像作品『Я чайка』ヤーチャイカ
監督 覚 和歌子・谷川俊太郎
日本を代表する詩人である谷川俊太郎、覚 和歌子の初共同監督映画「ヤーチャイカ」が5月31日より渋谷/シネマ・アンジェリカ、大阪/シネヌーヴォにて劇場公開が決定しました。
主演には、もはや日本映画界では欠かせない存在となった香川照之、昨年カンヌでグランプリ受賞を果たした「殯の森」に主演した尾野真千子と実力派の豪華キャストが揃い独特の存在感を発揮しています。
「ヤーチャイカ」は
フォト・ストーリーの形を借りて描く、
女と男をむすぶ、人と自然をむすぶ、
そして地球と宇宙をむすぶ
親和力の物語である
もう死ぬしかないと思いつめてふらふらと村へたどりついた男と、心と体に残酷な傷を負った女を、つかの間結びつけたものは何だったのだろう。人類史上初めて女性が宇宙から地球に呼びかけた、「ヤーチャイカ」という言葉が、呪文のように男と女を解き放つ。 通常の映画と違い、この作品の映像は静止している。動かない映像たちは、目に見えるものから見えないものへと、私たちの心の通路を開く。人も他のあらゆる生命と同じく自然の中で、宇宙の中で生き、そこから見えないエネルギーを得ているのだ。
主演:香川照之
(2000年カンヌ映画祭グランプリ受賞「鬼が来た!」日中合作映画 準主演)
尾野真千子
(2007年カンヌ映画祭グランプリ受賞「殯(もがり)の森」主演)
監督:覚 和歌子、谷川俊太郎
脚本:覚 和歌子、谷川俊太郎
原作:覚 和歌子(原作:「ゼロになるからだ」/徳間書店 刊 )
企画プロデューサー:畠中基博
プロデューサー:中村誠、畠中節代
写真:首藤幹夫
衣装デザイン:伊藤佐智子
録音:橋本泰夫
音楽:丸尾めぐみ
アートディレクター:葛西薫(サン・アド)
製作:パグポイント・ジャパン、フロンティアワークス
ティー・ワイ・リミテッド
配給・宣伝:アンジェリカ/宣伝協力:フロンティアワークス
2008年5月31日~ 全国順次ロードショー
アートディレクター:葛西薫
渋谷駅: 半蔵門線改札口
渋谷駅: マークシティEAST MOLL
拝啓 覚 和歌子 様
永年の憧れの人だった谷川俊太郎さんと四つに組んでの映画製作。ほんとうに完成おめでとうございます!公開に先立ち試写を拝見させていただき、ファン冥利につきる限りです。センエツながら感想を書かせてください。
写真映画という冒険。静止したスチール写真の連続という特殊さは、最初の1シーンで確認しさえすれば後はもうどこへやら。スチール写真は、そこにある表情や感情をこころゆくまで見つめ、思い巡らすことができるのですね。またその一枚に収められているのは、演技の一瞬ではなく、リアルな心情の一瞬が掬い上げられているように真実味がありました。日常の眼差しのまま映像があって、映画を見るというより、世界を見つめているような感触でありました。
そして、1枚1枚の写真は静止しているのに、絶妙な編集に促されて頭の中で動きのある映像となっていました。この手法。私には「見る」という行為そのものを再発見させてくれる衝撃がありました。
正午(香川さん)や新菜(尾野さん)の饒舌で豊かな佇まい。丸尾さんの色とりどりに情感溢れる音楽。首藤さんの敏腕冴え渡るカメラワーク。そして、覚さんの優しくて暖かい心に沁み入るナレーション。一つ一つの役割が不可分に寄り添い、濃密な世界を築いて、「ヤーチャイカ」は静かに語りかけてくる作品でした。この物語のリズムは、深く呼吸を整えるセラピーのような効能をもっています。そして、この目新しい映像体験が終わる頃には、体からは少しの力みが抜け、ひとつの「お清め」に遭遇したかのように、すぅっと奇麗で柔らかな気持ちに満たされていました。
詩人のお二方ならではのセンスが生み出した画期的映像詩。
ヤーチャイカ、万歳!です。
最後に、覚さんに映像製作の機会を与えてくださった畠中さんへもファンを代表して深く大きな感謝の意を表したく思います。そしてそして、覚さん、谷川さん、素晴らしい映像体験をありがとうございました!
敬具
カストル

