作詞家・詩人覚 和歌子

September Rain

半袖が もう頼りなくて
太陽は もう遠くて
さよならが うまく言えなくて
君に手紙を書いてる
思い出と言えてしまうほど
長い時間じゃないけれど
何もかも眩しかったのを
夏のせいにしたくない
胸へと押しつけた
横顔を抱えこんで
君の その激しさと
ひとつになりたかったよ
インクはブルーブラック
曇り空に文字が乾かない
もうすぐ降りだすよ
夏を連れ去る september rain
めぐりあいはふしぎだったね
決まってたことみたいで
同じことに笑えた夜は
双子のように眠った
御影のテーブルに
焼けた頬 冷ませるなら
空の果てからくる
どしゃぶりを待ったりしない
瞬間がすべて(だ)と
写真の僕たちは 笑うけど
こんなに遠くなる
ふたつの未来だったなんて
インクはブルーブラック
曇り空に文字が乾かない
名前をにじませて
たった今 夏は終わったよ
通りを 走り出す
靴音に紛れて ポストまで
こらえた空からは
頬にひと粒 september rain